エンカレッジmore

代表メッセージ

エンカレッジが活動を始めたのは2008年。経済的な理由で勉強をあきらめ、夢や目標を持てなくなっている子どもたちの多さを目の当たりにし、危機を感じたことが活動のきっかけでした。「子どもたちに希望を持ち続けてもらいたい」「子どもたちの夢を大切に育てたい」この想いから、子どもたちが無料で塾に通うことができる「通塾支援」を開始。2009年からは沖縄県や各市町村より委託を受け、現在では離島を含め、沖縄県内に24か所の「居場所型学習支援教室」の設置と、2か所の「通塾支援事業」を行っています。
沖縄県は全国で一番、ワースト1を抱えている県です。社会・経済的な課題が、教育の均等化を図れず、高校進学率や進路未決定率に影響を与えている。そしてまたその教育的課題が、社会・経済的課題に繋がり、「負の連鎖」がつづいているのではないでしょうか。
「負の連鎖」を断ち切るためには、「教育」に力を入れるべきであると私たちは考えます。人材育成に力を入れることは、将来の雇用や税収にもつながります。一家庭の負の連鎖がなくなれば、沖縄の負の連鎖もなくなる。子どもたちは学力をつけ、成功体験を重ねることで心身ともに成熟した大人になるはずです。社会が良くなることで経済が発展し、その豊かさで、また新しい教育投資ができるようになる。子どもたちに学びは、一個人に限らず社会にとっても重要なものであると考えます。社会にはこのような循環が必要で、そのために今私たちがするべきことは、子どもたちが成功体験のできる機会や環境を整えること。そして、社会へ出るまで継ぎ目のない支援を続けていくことだと思います。
私たちは、今支援をしている子どもたちの「子ども」が、エンカレッジに来ることの無いような社会になり、いつかはエンカレッジのような場が必要でなくなる、そのような未来が訪れることを願っています。

就学援助児童支援NPO法人 代表 坂 晴紀

設立趣旨について

沖縄県は、出生率と婚姻率、若年者結婚、また離婚率も全国一高いという特殊な社会構造があり、県民所得は全国平均下位に位置しています。母子家庭率の高さも全国一であり、収入も低いという現状が家庭へも影を落としています。その環境は、子供たちの学力や学習意欲にも影響を与えています。

ゆとり教育の導入により、顕著になったのが、家庭あるいは保護者の経済的な所得格差が子供たちの学習機会にも格差を生じさせている、という現実です。経済的に余裕のある家庭では、子供を学習塾や稽古事に通わせ、高度教育を履修する機会を与えられる一方で、給食費や学習資材さえままならない家庭もあります。又、学習意欲があるにも関わらず経済的理由で、通塾を断念する子供もいます。

このように家庭の事情といった経済的な理由であきらめる事が続くと、学習意欲を減退させ夢を持てなくなってゆくのではないでしょうか。

母子家庭率の高さに加えて県全体の所得の低さという沖縄県独特の社会情勢から、何らかの経済的援助がなければ、教育を受けられないという就学援助児童(※)が増加しています。マスコミによっても多く報道され、今や身近な社会問題であるが、沖縄県内では13.83%の児童がそれにあたり、特に沖縄市では21.8%にのぼります。このような事態が続き、拡大すると将来的には沖縄県内だけの問題に片付かず、日本全体の教育水準低下に繋がりかねません。

しかし、厳しい状況下にあるわが県において、今後の光となるのが、出生率の高さです。日本の出生率の低下が10年後、20年後の労働人口減少、世界競争力の弱体化を招くと危惧されている中で、沖縄県の出生率の高さは日本の将来を担っていく、“人材の宝庫”になりうるのです。

すべての子ども達へ均等に学習機会を与えたい、すべての子ども達に夢を持たせたい、すべての子ども達に希望を持ち続けてもらいたい。
就学援助児童に経済的に負担の無い学習塾という高度な教育の場を与えることができれば、自分の居場所をえて、夢、希望、高い学習意識を持ちうることになるのではないでしょうか。その結果として、より良い人材を増やし、将来における沖縄県また日本の明るい未来へと繋がるものと期待します。

そのためにエンカレッジでは、企業、各塾からの援助を受け、無償で対象となる児童に学習の機会を与えるべく、活動していきます。

申請に至るまでの経過

塾や予備校が集中する街、沖縄市で塾を始めて10余年。 その月日の中で私が感じたのは、塾に入り、いっぱい勉強したいと思っても、 経済的な事情により、その機会を得ることのできない子ども達が多いという現状でした。 学習意欲のある子どもに、存分に勉強ができて、かつその子達の持っている可能性を引き出して、 夢や希望を持ってもらうための場として始めた塾経営でしたが、 現実はそうではありませんでした。 私がそういった場を提供できる子ども達は一握りでしかなかったのです。
「お母さん、私将来看護師さんになりたいの。だからその為に塾に入ってもっと勉強したい」と、 子どもは将来の夢に希望を膨らませ、勉強したいと望みます。 親もまた、子どもの希望を叶えてやりたいと思います。 しかしそうして塾に説明を受けに来ても、授業料の高さに、 我が家の経済力では通わせられないと断念せざるを得ない家庭が多いのです。
子どもは希望が叶わないことの残念さを、親は子どもの願いを叶えてやれないことに対する無力感に直面し、 意気消沈して帰っていく、そんな親子の姿が後を絶たないのです。
学ぶことは、子どもの人間性を養い、可能性を広げ、幸せな将来を創ることなのです。
しかし、経済事情においてそれが阻まれてしまっています。 それは子どもの幸せな将来への可能性を閉ざしてしまっていることにそのままなるのです。 そのような現状にやるせない思いを抱き、どうにかしたいと思い続けていました。
設立当時、沖縄市の就学援助児童は全体の21.8%でした。 その事実を知った時、通いたくても塾に通えない子ども達の存在が、その数字に重なりました。 その時に、この現状を変えるにはどうしたら良いか、何が必要かと10余年考え続けてきたことに NPO設立という方法が見えてきたのです。 又、特定非営利活動法人を設置することで社会的信用性・信頼感の向上と繋がり、 ニーズへの柔軟な対応が可能になると分かりました。
その後、趣旨に賛同した有志とともに統一名称「エンカレッジ」として、 平成18年9月に設立準備会を発足、同年11月7日に設立総会を開催しました。
この活動は、子ども達に学習の場を与えることによって、夢や希望と自信を与えるだけでなく、 優秀な人材を世間に多く輩出することに繋がると考えています。 長引く不況の中、日本で最下位所得の沖縄において、今求められているのは これからの沖縄の未来を築いていく優秀な人材です。 我々が行っている就学援助支援は、その優秀な人材を育てることでもあります。 彼らが希望と自信を持って、これからの沖縄の未来を創っていくための言わばお手伝いをしているのです。 人を育むことが社会を育むことであると私は信じています。 そしてその輪を沖縄から、日本中へと広め、これからの未来を創っていく人材と、 彼らが夢や希望を持てる社会を創っていくことが私の夢です。

就学援助児童支援NPO法人エンカレッジ 代表 坂 晴紀

取り組み

これまでの取り組み

エンカレッジは2008年から活動を始め、沖縄の新聞やテレビに取り上げられることも多くなりました。
政府や自治体も本格的に「就学援助児童支援」に乗り出し、企業や関連機関も協力を申し出るようになりました。無料塾や子ども食堂など、子どもの居場所作りが沖縄各地で開かれ、自治体の支援員がサポートしてくれることもあります。
エンカレッジは皆さまから多大なご支援を受け、「一般塾への通塾支援」や「学習支援教室」などの事業を継続して行っています。またエンカレッジで受け入れている生徒の高校進学率も2010年から2015年にかけて94%以上の高い数字を維持し続けています。
このような取り組みが功を奏し、沖縄県における生活保護世帯の高校進学率は、6年間で74.4%から90.5%に伸びています(2010~2015年)。

これからの課題

官民挙げての連携が強化されたことで、数字の上では高い成果を上げています。以前に比べて就学援助児童支援も手厚くなり教育委員会からは寄り添い支援員、生活保護の担当部署からは児童自立支援員が配属されることもあります。
しかし高校に進学できたとしても中退してしまう子どもも多く、2015年の沖縄県における高校中退率は2.2%(全国1.6%)、1,000人あたりの高校不登校率は27.2%(全国14.9%)となっています。
「自立」という観点から見れば毎日登校して授業を受け、卒業するまで勉学に励むことが、非常に重要ではないでしょうか。このためお金や勉強の支援も大切ですが、エンカレッジでは「自立」を促すための「心の成長」にも力を入れています。

負の連鎖を断ち切るために

子どもの貧困における問題は満足できる食事がとれなかったり、オモチャや洋服が買えなかったりするだけの「経済的貧困」だけにとどまりません。クリスマスや誕生日などのお祝いや作法が分からない、規則正しい生活リズムが分からないなどの「文化的貧困」や、相談する方法も相手も分からない、行事の作法やより良い就職の方法などが分からないなどの、「社会的貧困」も含まれます。

「子どもにかけるお金」「子どもにかける時間」「親と周囲の関係」「親の生活習慣」「親の価値観」など親から子へ相続される目に見えない「社会的相続」は自然と受け継がれていきます。こうなると「負の連鎖」に陥った子どもたちは現実的な思考しかできなくなり、「自立」する力まで奪われるかもしれません。こうした負の連鎖は世代を超えて引き継がれ、様々な社会問題を引き起こす可能性があります。
貧困などの「負の連鎖」を断ち切るためには「教育」が非常に重要といわれています。 豊かな暮らしを実現したいと信じ、そこに行きつくためのプロセスを幸せだと感じられる。 そうなるためには自分の能力を高めたり、置かれている環境を自分で改善しようとする意欲が不可欠です。 また貧困へと向かわせるネガティブな習慣を変えるためには、かなりの勇気が必要となります。 こんなときに夢や将来のビジョンを持っていれば困難な試練にも耐えることができ、 不安や恐れを和らげることができます。
小さな成功体験を積み重ねて自分なりに手応えを感じようになれば心は奮い立ち、失敗を恐れず、幸せになるアイデアが湧き出るようになるでしょう。夢や将来のビジョンを自分で描けるようになれば勇気をもって自立を果たし、「負の連鎖」をはねのけて豊かな人生を手に入れることができるでしょう。
教育の目的として「心の成長」が挙げられるのは、勉強だけでなく社会活動や人との触れ合いを通じて子どもが「自立」することではないでしょうか。それが人生における困難な局面に立ち向かったときに知恵と勇気を与え、未来を創造できる原動力となると思います。

次のステップへ

生活習慣や価値観といった社会的相続を、第三者が補完することは難しいかもしれません。 しかし何がきっかけで子どもが変わるかは、やってみなければ分かりません。
エンカレッジ単に「無料塾」の提供だけでなく、社会的相続に繋がるような活動も積極的に行っています。当たり前のことができるようになる自立プログラムを提供し、成功体験に繋がる成果発表会やイベントなどを開催してきました。クリスマスや芋ほりなどの季節行事、食事の提供や送迎サービス、ボランティア活動やキャリア教育の実施、楽器演奏のレッスンや海外研修なども行ってきました。
現在進行中なのが高校生向けの人材育成プロジェクトです。
プログラミングレッスンを取り入れた居場所作りや、沖縄の企業と連携してインターシップや就労受け入れなど様々なプロジェクトを、企画しています。
私たちは子供たちへの学習・自立支援と合わせて企業での実践による育成事業を行うことにより、沖縄の経済発展につながる人材を社会全体で育てていくことを、切に願います。

世界が変わることを信じて

少子化社会に傾きつつある日本において、沖縄県だけは人口が増え続けています。 沖縄県を取り巻く現状は厳しさを増していくでしょう。しかし単純労働力の提供先ではなく、優秀な頭脳を持った人材が増えれば、沖縄は飛躍的に発展する可能性を秘めています。また地理的にアジアの主要都市に近いため、沖縄はアジアにおける重要拠点として大きく発展を遂げるかもしれません。
教育への支援は希望と安心を生み出す未来への投資です。社会の担い手となって立派に成長した子どもたちは、みんなが幸せに暮らせる明るい未来を創ってくれるからです。
世界が変わることを信じて私たちはあきらめず、励まし合いながら活動を続けていきます。

活動報告実績

主な出来事

2018年11月 沖縄子ども文化祭2018を開催いたしました
2017年11月 第5回 成果発表会を開催いたしました

開校情報

2018年8月 那覇市「真和志学習支援教室」が開校いたしました
2018年7月 沖縄市「美里学習支援教室」が開校いたしました
2018年1月 西原町「西原がじゅまーる教室」が開校いたしました
2017年8月 北谷町「高校生フォローアップ教室」が開校いたしました
2017年7月 読谷村「読谷学習支援教室2」が開校いたしました
2017年6月 中城村「中城学習支援教室」が開校いたしました
2017年6月 那覇市「高校生フォローアップ教室」が開校いたしました
2017年6月 宜野座村「宜野座学習支援教室」が開校いたしました

事業実績

2014年度 うるま市学習支援事業
那覇市学習支援事業
第19回 公益信託 源河朝明記念「宇流麻福祉基金」の助成事業先に認定されました
2013年度 沖縄県子育て総合支援モデル事業(北谷教室)
 沖縄県子ども健全育成事業(北谷教室)
2012年度 糸満市学習支援事業(終了)
豊見城市学習支援事業
 浦添市学習支援事業
 那覇市学習支援事業(泉崎第2教室)
 沖縄県子育て総合支援モデル事業(嘉手納教室)
 義務教育未修了者支援事業(終了)
2011年度 宜野湾市学習支援事業
那覇市学習支援事業(泉崎第1教室)
沖縄県子ども健全育成事業(嘉手納教室)
2010年度 第13回 公益信託 源河朝明記念「那覇市社会福祉基金」の助成事業先に認定されました
2009年度 第19回 財団法人おきぎんふるさと振興基金
「就学援助児童・経済的困窮家庭の児童に対する教育支援事業」の助成事業先に認定されました

メディア掲載情報

テレビ 2010年8月31日 「沖縄テレビ」スーパーニュース【クイズフェスティバル2010 in 一番街】
2010年2月4日 「琉球放送」The News【増える就学援助児童 地域で進む支援策】
2009年10月29日 「フジテレビ」とくダネ!【学校をあきらめる子どもたち】
2009年8月15日 「沖縄テレビ」スーパーニュース【地域で希望を持って学べるように!】
2009年8月3日 「沖縄テレビ」スーパーニュース【こども達が自主イベント企画】
2007年11月26日 「NHK」ニュース610【勉強したい!をあきらめないで】
新聞 2014年9月「琉球新報」【貧困対策に成果 夢実現の後押し】
2013年11月「琉球新報」【成功体験、子どもの自信に】
2013年5月「琉球新報」【義務教育 未修了者 NPO、無償で授業】
2013年4月「沖縄タイムス」【信頼築き 学力向上】
2013年3月「琉球新報」【未来へいっぽ にほ 小さな会社の成熟】
2013年2月「琉球新報」【未来へいっぽ にほ いざ、香港へ】
2013年1月「琉球新報」【未来へいっぽ にほ 支えてくれるもの】
2012年12月「琉球新報」【未来へいっぽ にほ 成長の仕組み】
2012年11月「琉球新報」【未来へいっぽ にほ 求めるより与えよ】
2012年10月「琉球新報」【未来へいっぽ にほ 成長の環境づくり】

2012年4月3日「沖縄タイムス」【無料塾の生徒 全員合格】
2011年6月1日「琉球新報」「沖縄タイムス」【尾木直樹さんの講演会】
2010年8月17日「琉球新報」【小中学生ら夏休み満喫】
2010年8月16日「沖縄タイムス」【クイズ通じて商店街と交流】
2009年8月19日「琉球新報」【クイズで楽しく勉強】
2009年8月16日「沖縄タイムス」【50の「?」に小中学生挑む】
2009年7月16日「琉球新報」【銀天街でクイズ 小中学生が運営】
2009年7月12日「琉球新報」【通塾支援NPO企画 子どもたち シェフに挑戦】
2008年10月23日「沖縄タイムス」【教育支援 弱者に光】
2008年9月3日「日本経済新聞」【塾代 じわり家計圧迫】
2008年6月24日「沖縄タイムス」【困窮生徒の通塾支援】
2008年5月23日「沖縄タイムス」【家庭での習慣改善を】
2008年4月 「琉球新報」【通塾費用 無料に】
2008年3月9日 「沖縄タイムス」【親子支え“連鎖”断つ】
2007年11月26日 「沖縄タイムス」【困窮家庭生徒の学習支援】
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